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2008年02月08日

点と点とを線で結ぶ

もうずいぶん前のことになりますが、私どもには以前 プリント基板の設計を生業としていた時期がありました。このプリント基板の配線というのはまさに点と点とを線で結ぶ仕事であり、何百何千もある点を見て途方にくれた記憶があります。

そして今は皆様に CAD ツールを紹介する仕事をさせていただいたいているわけですが、これも同様に「点と点を線で結ぶ」ことが仕事なのではないかと思うことがあります。そして、あらためてこの視点で私どものまわりを見てみると、結ばれたくても結ばれない「点」が無数に点在していることがわかります。

アルティウムは1986年に最初のツールを世に送り出し、それ以後多くのCADツールを提供し続けてきました。その結果、現在では多くのバージョンのアルティウム/プロテルCAD ツールが混在して使われています。そしてこのことにより、新たに Altium Designer 6 を導入する場合でも、現在でも稼働している古い CADツールやCAD データとの連携が必要な状況が生じています。

そしてこれに対して私どもは今、新旧のCADツールやこれらのユーザ、そして蓄積されたこれらのCAD データを「結ばれるべき点」としてとらえ、その間を線で結ばなくてはならないと考え始めました。

そこで、「時空を越えて縦横無尽に線を張り巡らす」というコンセプトを思いついたのですが、とりあえずはまず今までの記憶をたどり、アルティウム/プロテルが提供してきた歴代の商品をご紹介することにしました。

これらをご覧いただくことにより、取引先が古いバージョンを使っている場合などには、それがおおよそどんなものなのかということや、どのような付き合い方をすれば良いかということがわかるかも知れません。

プロテル DOS製品の記憶
初代 Windows 版プロテル
2代目 Windows 版プロテル
3代目 Windows 版プロテル
Protel 98
Protel 99 と Protel 99 SE
Protel DXP と Protel 2004        ・ プロテルのはじまり

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Protel DXP と Protel 2004

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大量に投入された新技術により飛躍的な進化を遂げた革新的な製品

Protel 99 のリリースが 1999年 3月で、Protel DXP のリリースが2002 年の年末ですので、その間は 4年近くあいています。アルティウムではその間いろいろな事がありました。

この間に起こった主な出来事として、ACCEL Technologies, Inc(P-CAD)の買収 、Metamor Inc(FPGA論理合成技術)の買収 、TASKING グループの買収(エンベッデッドソフトウェア開発環境)、プロテル(Protel International Limited)からアルティウム(Altium Limited )への社名変更 などがあげられます。

このようにこの間には、有力企業の買収がアグレッシブに行なわれています。、そしてこれらは「次世代の Protel ファミリーの開発のために行なわれた」と言えます。そしてこの企業買収よる最も大きな成果は、FPGA ハードウェアとソフトウェアの開発ツールの技術を手に入れたいれたことでした。

そしてProtel DXP ファミリーはこれらの企業買収で取得した技術の投入に加え、より洗練された統合環境であるDXP プラットフォームを導入することによって開発されました。その結果この新しい Protel DXP はただ単にツールの種類を増やしただけのものではなく、ツール間における相互の緊密な連携が可能な一体化された製品になりました。

この流れはその後の Protel 2004 世代にも受け継がれ、アグレッシブに開発が続けられました。そして Nexer-Protel 2004 で基板設計とFPGA ハードウェア/ソフトウェアを一体化した統合開発環境が完成します。そしてさらに改良が続けられ、Altium Designer 6 へと進化していきまます。

このように、大きく進化した Protel DXP なのですが、市場への浸透は意外に緩やかなものでした。良くも悪くも根を張るほどに定着した Protel 99 SE との違いがあまりにも大きすぎたというのがその原因なのではないかと思います。これを補うためか、Protel 99 SE は Protel DXP はおろか Protel 2004 がリリースされた後もしばらく販売が継続されました。

プロテルは 1995 年のEDA/Client の導入をかわきりに統合一直線に進んできましたが、それもついにここまで来たか...というのが正直な感想です。 技術を持った企業を買収すれば機能を増やすのは簡単なことかも知れませんが、それを統合し魅力的な商品にまとめ上げる事は至難の業です。それを可能にしたのが新しく導入された DXP プラットフォームです。そしてそのコンセプトと基本技術がすでに 1995 年のEDA/Client で確立されていたという事実を思い起こし、今まさらながら驚いています。

Protel DXP およびそれ以降の製品については今でもWEB サイトから、多くの情報が入手できますので興味のある方はご覧下さい。

プロテル進化論
http://jono.jp/story/protel_se2004.html
Protel から Altium Designer 6 へ
http://jono.jp/story/altium_designer.html
Protel DXP サポートドキュメント
http://www.altium.com/community/support/jpproteldxpguide/
Protel 2004 サポートドキュメント
http://www.altium.com/Community/Support/LearningGuideJapanese/

(注) 内容は記憶に基づいたものであり、不正確な部分が含まれている可能性があります。

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Protel 99 と Protel 99 SE

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ポータビリティの良い DDB 統合データベースが導入されたロングセラー製品

1999年 4月に無印の Protel 99 がリリースされ、同年の12月に99 SEにアップデートされた後、2005年の3月末までの6年間にわたり販売が続けられました。後継の Protel DXP や Protel 2004 がリリースされた後も販売が続けられた超ロングセラーモデルです。

この製品は以前の Prtoel 98 のマイナーチェンジではなく、統合プラットフォームが大きく変更されされたほか、新たに伝送線路シミュレータが追加された全くの新製品です。

Proel 99 の統合環境は EDA/Client から Design Explorer に変更され、これに合わせて Microsoft Jet エンジン を利用した新しい統合データベースが導入されました。この新しいデザインデータベース(DDB)は全てののデザインデータを一つのデザインデータベース保存できるため、大変ポータビリティが良い反面、ファイルが壊れた場合全てのデータを失うという危険性もありました。またJet エンジンのアクセスコントロール機能を利用したプロジジェクト管理機能が備えられていました。

この新しい統合環境には短所もありました。ことに手軽に使える回路図エディタを求めている人にとって Design Explorer とDDB ファイルはいかにも大げさすぎるように思われました。

この DDB デザインデータベースについては私どもの社内でも賛否両論があり、いくどもその有効性についての議論がかわされました。しかし製品の信頼性が向上するにつれ急速にその評価は高まり、その有効性を疑問視する声はしだいに聞かれなくなりました。

Protel 99 に新たに加わった伝送線路シミュレータは旧 INCASES Engineering 社の SI Workbench を組み込んだもので、現在のAltium Designer 6 と同等のものです。また、アナログ/デジタル混在シミュレータは以前用いられていたDolphin Integration 社の SMASH から Microcode の XSpice 3f5 ベースのものに変更されました。

また回路図エディタ、PCB とも編集機能の改良は旧製品に対する上位互換が維持されており、旧製品のユーザであれば違和感無く使用できました。また部品シンボルに Unique ID 属性が追加され、デザインデータ間相互のリンクが強化されました。これにより回路図とPCBとの間のデータの受け渡しがネットリストファイルではなく、Update - PCB/Schematic のコマンド操作によって行なわれるようになりました。またこの製品から、ロングファイル名と日本語ファイル名がサポートされたことも見逃せません。

そして1999年12月の Protel 99 SE へのアップデートでは、それまで要望が強かった層数の追加が行なわれ、信号層が 16 から 32、内層プレーンが 4 から 16、メカニカル層が 4 から 16 に増やされました。この SE へのアップデートはマイナーチェンジとして扱われ、Protel 99 ユーザに無償提供されました。

また、この製品はライセンスがピア・トゥ・ピアでフローティングするように作られており、全てのユーザにフローティングライセンス仕様の製品が提供されました。また、統合版を購入しても Schematic/PCB 等の個別ツールのライセンスをバラバラに使用できましたので、設計者が作業を分担する場合には大変便利なものでした。

マーケティング面では、より明確に統合ツールへの方向性が打ち出されました。例えば回路図エディタの商品名は、従来の Advancrd Schematic 98 から Protel 99 Schematic に変更され、個別の回路図エディタ は Protel 99 統合ツールのサブセットとして位置付けがさらに明確にされました。

長期間販売されたこの Protel 99 SE には極めて多くユーザが存在しますので、Altium Designer ではProtel 99 SEのデザインデータベース(DDB)と個別ファイルとの互換性に対しては、磐石なサポートが提供されています。

なおアルティウムジャパンではこの製品のサポートを終了しましたが、サポートドキュメントの提供は続けられています。
http://www.altium.com/Community/Support/JPProtel99SEGuide/

(注) 内容は記憶に基づいたものであり、不正確な部分が含まれている可能性があります。

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Protel 98

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統合化への方向性を明確にした EDA/Client の完成形

名前のとおり 1998年 2月にリリースされた、Protel V3 の改良版です。このバージョンでは、今まで独立していた Advanced Route 3 が EDA/Client のサーバとして組み込まれた事以外には新たな機能の追加は行なわれず、プログラムの32ビット化とバグの修正にに焦点が絞られました。

その結果、Protel V3 よりも安定かつ高速に動作するようになりました。表面的には極めて地味な新バージョンでしたがその堅牢さが受け入れられ、10年たった今でもまだかなり使われています。

一方、マーケティング面においてはこのリリースを機に個別ツールから統合ツールへの転換が開始されました。商品名にもこの方針が反映され、統合版にProtel 98 という社名を冠した商品名が与えられました。そしてこれを主力商品とし、個別ツールはProtel 98 のサブセットという位置づけになりました。

また、個別ツールから統合版 Portel 98 へのアップグレードを安価に設定することにより、統合版 Portel 98への誘導が図られました。その結果 Portel 98 へのアップグレードの注文が殺到し、リリース後2ヶ月間のPortel 98の売上げはそれまでの半年分に相当する金額に達するほどでした。(日本国内の状況)

一方個別商品に目を向けて見ると、競合商品である OrCAD Capture の改良が進んだことで、回路図エディタの選択枝が広がってきているという状況でした。Windows版回路図エディタはプロテルしかないという時代はすでに過ぎ去っており、回路図エディタの売上げを維持するためには何らかの施策が必要な状況でした。

前回の Protel V3 では革新的な技術の投入により統合化が進められましたが、この Protel 98 のりリースではマーケティングに対する施策にろり統合ツールへの転換が図られています。

なお Portel 98 のファイルフォマットは Protel V3 から変更されていません。この Portel 98 で使用されているPCB 3 フォーマットは、現在のAltium Designer 6でも読み書きがサポートされていますので、両者の間で PCB データを双方向でやり取りするこができます。

また Protel 98 についてはまだ WEB 上にコンテンツが残っていますので興味のある方はご覧下さい。
Protel 98 製品仕様
http://www.anvil.co.jp/protel98/protel98.html
Protel 98 レポートドキュメント
http://www.altium.com/Community/Support/JPProtel98Guide/

(注) 内容は記憶に基づいたものであり、不正確な部分が含まれている可能性があります。

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3代目 Windows 版プロテル

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EDA/Client 統合環境を導入した第3世代のプロテル

3代目 Windows 版の Advanced Schematic 3 と A dvanced PCB 3 は、従来の Ver.2 の延長線上で改良が加えられたものではなく、 EDA/Client という斬新なシステムをベースにして作り変えられた新製品です。

EDA/Client はそれまでバラバラに提供されていた複数のEDAツールを一体化するための統合環境であり、これにより異なる種類の EDA ツールを共通のユーザインタフェイスで使用することを可能にするものです。

たとえば従来のプロテル製品では、回路図入力とPCBレイアウトでは、別々のプログラムを起動することが必要でしたが、この新しいシステムでは EDA/Client を起動するだけで回路図入力とPCBの両方の作業が可能になります。このことは複数の種類の仕事をする場合にもツールの使い分けが不要になることを意味します。このシステムはその後も改良が続けられ(EDA/Client → Design Explorer → DXP プラットフォーム) Altium Designer 6 でも使用されています。

このシステムの導入に際しては、開発初期の段階から関係者に対してコンセプトの説明やプロトタイプによるデモが行なわれました。初期の段階では EDA/OSという仮称が与えられており、まさにベンダーの垣根を越えた共通のプウラットフォームを目指していました。私どもはこのコンセプトの先見性に感銘を受け、再びプロテルの将来性を確信しました。そして日本のユーザに対して製品リリースの1年近く前から EDA/Client のコンセプトの訴求を始めました。

実際に製品がリリースされたのは、Advanced Schematic 3 が1995年 9月で、OrCAD Capture の最初のバージョンのリリースとほぼ同時期でした。また Advanced PCB 3 は1997年 2月で当初の予定より 1年以上も遅れユーザの皆様には多大のご迷惑をおかけしました。

EDA/Client はツールを統合するだけでなく、カスタマイズ機能も提供しています。このカスタマイズ機能により、メニューの日本語化が可能になったほか、オルグシステムズからはマクロ言語を使ったライブラリプレーサが提供されました。

エディタの編集機能の改良については、Schematic と PCB ではアプローチが異なりました。Schematic 3では編集機能の改良を最小限にとどめ EDA/Client によって提供される機能によって新規性を創出していたのに対して、PCB 3 では編集機能そのものに大幅な改良が加えられていました。

PCB 3 はルールドリブンのシステムに変更され配線機能もインテリジェントに改良されました。しかしその反面非常に動作が遅くなりました。当時はハードウェアの進化とソフトウェアの重量化がいたちごっこをしているような状況でしたが、PCB 3 の重量化はハードウェアの進化で補うことはできませんでした。

当時のWindows プラットフォームには、このシステムは少し重すぎたように思います。このため描画レスポンスや安定性においては以前の Ver.2.x に一歩譲る面はありましたが、新しい統合環境が受け入れられユーザの数は右肩上がりに増えてゆきました。

このAdvanced Schematic 3 と A dvanced PCB 3 の投入は営業的にも満足すべきものでしたがそれ以上に、現在でも使い続けれれている先進的な統合環境と、ルールドリブンシステムの導入に成功したことの意味は大きいのではないかと思います。

なおこのPCB 3 フォーマットは、現在のAltium Designer 6でも読み書きがサポートされていますので、両者の間で PCB データを双方向でやり取りするこができます。

また Protel V3 についてはまだ WEB 上にコンテンツが残っていますので興味のある方はご覧下さい。
Protel V3 コンセプト
http://www.anvil.co.jp/protel3/protel3_01.html
Protel V3 サポートドキュメント
http://www.altium.com/Community/Support/JPProtel98Guide/

(注) 内容は記憶に基づいたものであり、不正確な部分が含まれている可能性があります。

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2代目 Windows 版プロテル

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実用性が高く評価された2代目 Windows 版

1994年の2月から3月にかけてリリースされたWindows for Windows 2.0 は、以前の1.x の改良版と位置づけられる製品であり、この製品の出現によりそれまでの努力が実を結び始めました。

この新しい回路図エディタ Advanced Schematic 2.0では、TrueType による日本語、タイトルブロックのカスタマイズ、他のWindows アプリケーションとのクリップボード経由でのコピーアンドペーストが可能になりまそた。また Advanced PCB 2.0 では、Porigon Pour の改良、パッドスタックのサポート、画面上でのオンライン編集機能、PADS 2000 の読み込みなどが実現しました。またリリース後まもなく、Schematic と PCB の両方ともドングルによるコピープロテクトが廃止され、なんら手を加えること無しに PC 98 環境で使用することが可能になりました。

当時の PC プラットフォームはまだまだひ弱でしたので、安定性や処理速度に不満が残りました。しかし上記のような基本機能の改良により、実用性は大幅に向上しました。

当時のラインナップはつぎのとおり。
・ Advanced Schematic 2.x 120,000 円 - 148000 円
・ Advanced PCB 2.x   398,000 円
・ Professional PCB 2.x   198,000 円
Advanced Schematic は価格改定とキャンペーンによる価格変動がありましたが、120,000 円で販売されていた時期が最も長かったように記憶しています。またProfessional PCB はAdvanced PCB から自動機能を省いた製品であり今思うと大変お買得な製品でした。

競争相手は、Schematic が OrCAD 、PCB が Tango という構図でした。しかし OrCAD には Windoiws 版はなく、Tango は Protel より出遅れていたにもかかわらず大変高価でした。このため、プロテルはシリアスな競争にさらされることはなく、Windows CAD のリーディングブランドとしての地位を得ることができました。

このポジションをより確固たる物にするため、広告宣伝の強化のサポート製品の整備を進めました。トランジスタ技術誌への広告は、従来の1ページから2ページ見開きに増やしました。広告やカタログのレイアウトにおいても、当時のプロテルのカンパニーカラーである黄色を多用し極めて目立つような配色にこころがけました。

またサードパーティからもプロテルをサポート商品が次々と現れ、最終的には次のようなものが出揃いProtel for Windows 2.x の販売を後押ししました。

・ FontMan
・ オルグシステムズの TechLib-SCH 回路図シンボルライブラリ
・ CAD サービスの回路図シンボルライブラリ
・ 光明電子の PCB フットプリントライブラリ
・ 部品表太
・ RSI トランスレータ
・ MaxRoute
・ CCT SPECCTRA
・ HyperLynx BoardSim
・ ECAM / CAM350
(上記には1.0世代から存在していたものも含まれています)

Protel for Windows 2.x は 次の Ver.3 がリリースされるまでの間、0.1 刻みの小刻みなリビジョンアップが繰り返されました。特に PCB では頻繁にアップデートが行なわれ、その結果バージョン番号は 2.8 まで達しました。またこのPCB 2.8フォーマットは、現在のAltium Designer 6でも読み書きがサポートされていますので、両者の間で PCB データを双方向でやり取りするこができます。

プロテル製品の販売はこの Protel for Windows 2.x のリリースによって急速に伸び、浜松の大手電子楽器メーカに大量にも採用されるなど、旧テクスパート地元のお客さまにもご愛顧いただきました。

Protel for Windows 2.x は名実ともに 「Windows のプロテル」の地位を得、 Schematic 3(1995年 9月) とPCB.3 ( 1997年 2月)がリリースされるまでの間大量に出荷されました。

(注) 内容は記憶に基づいたものであり、不正確な部分が含まれている可能性があります。

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初代 Windows 版プロテル

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世界初の Windows PCB ツール

プロテルはDOS 版 PCB-CAD の開発を打ち切った後、1991年に世界初の Windows PCB ツールとして Advanced PCB 1.0 をリリースします。

当時私どもはPADS-PCB ツールの販売が主力であり、まだプロテルの輸入販売元としての業務を行なっていませんでした。私どもが輸入販売元としてプロテルの Windows ツールの販売を開始したのは、1994年1月の EDA TechnoFair からです。しかし主力においたのははPCB ツールではなく、回路図エディタの Advanced Schematic でした。

プロテルの代理店になることを決めたのはこの前年の1993年の末です。Wescon で展示されていたAdvenced Schematic に感銘を受け即座に代理店になることを決断しました。当時の私どもは Advenced Schematic が業界標準になることを確信しており、プロテルビジネスに投資する事に対して何の懸念もありませんでした。

この Advenced Schematic では、 OrCAD SDT(DOS)のWindows 版というコンセプトが明確に打ち出され、そのコンセプトが適確に実現されていました。また何よりも端正な面構えとWindoes 準拠のセンスの良いユーザインタフェイスにいたく感動し、もうこれ以外には何も目に入らないというほどの惚れ込みようでした。一方 PCB エディタの Advanced PCB はこの頃すでに Ver. 1.5 にバージョンが上がっていましたが、いまいち魅力薄の印象を拭えませんでした。

とにもかくにも私どもは、このプロテルの投入を機に積極的な販売戦略を策定/実行し、 PCB 設計業者から CAD 販売業者へ転換し始めました。いま当時策定した戦略を振り返ってみると、その後のプロテルビジネスの骨格がこのころ確立されたことがわかります。

・ VAR 販売チャンネルの設定
・ 流通販売チャンネルの設定
・ 雑誌広告を毎月掲載
・ 年 4回のニュースレター(Tech Express)の定期送付
・ 年2回のトレードショーへの出展
・ 回路図とPCBの国産部品ライブラリの提供
・ カタログの大量配布

とにかく OrCAD という巨人が前に立ちはだかっていたわけですから、OrCAD の Windows 版が出る前にいかに知名度を上げ、販売実績を残すかということが最重要課題でした。当時の私どもには「何が何でもプロテルを公衆の面前に露出させる」という執念めいた想いがあったように思います。

これらの戦略の実行にあたっては、資金不足以外に大きな障害はありませんでしたが、いくつか想定外のこともありました。特に流通チャンネルを通じて全国にカタログを配布する場合、最低でも 10,000枚くらい用意しないといけないことがわかり、流通販売チャンネルの設定後、それまでの 10倍くらいの量のカタログが必要になりました。

当時はまだ誰もプロテルの名前を知らないわけですから、微々たる売上げに期待するよりもまず、メディアへの物量の投入によりブランドを露出させ知名度を上げることが先決でした。雑誌広告やカタログにはProtel のロゴを目立たせると共に Advenced Schematic が OrCAD互換であることを明示し、OrCAD のWindows 版というコンセプトを強く訴求しました。そしてこのような営業努力の結果半年後くらいには、いくらかプロテルの存在が認知され始めました。また製品の能力に対してもおおむね良好な評価を得ることができ、少量ながらも着実に売れ始めました。

余談になりますが、このころ国内最大手の PCB-CAD ベンダー様から Advanced Schematic の引き合いがあり、研究用見本として 1本お買い上げいただきました。 開発/設計現場だけでなくCAD 業界にもプロテルの存在が認知され始めたことを実感させる出来事でした。

機能面においては Advanced Schmatic 1.0 の特徴である OrCAD回路図とライブラリの読み書き機能、およびWinmdows 準拠の洗練されたユーザインタフェイスは大変好評でした。しかし残念なことに、回路図上に日本語を書き込むことができませんでした。

一方 Advanced PCB 1.5 では、32ビットのデータベースによる 0.001 mil の分解能の実現と、無制限のデータベースサイズのサポートにより、極めて精細度の高い基板や大規模な基板の設計が可能になりました。しかし、パッドスタックがサポートされていないことや、Polygon Pourを同一ネットのパターン上に重ねて配置できない点など、プロフェッショナルな用途には不十分な部分も残っていました。

また、Advanced Schmatic および PCB の双方ともドングルによりプロテクトが行なわれていましたので、IBM PC 用ドングルにアクセスできないPC98 環境では使用することができませんでした。このためサードパーティからPC98 用プロテクトキーインターフェイスボードを調達することにより、PC98 環境での動作を実現しました。

当時このAdvanced Schmatic および PCB には Protel for Windows というファミリー名が与えられました。この初代 Protel for Windows は当時のひ弱なプラットフォームでは充分な能力を発揮することはできませんでしたが、Windows のトレンドに対する整合は完璧でした。このため、 「Windows のプロテル」というブランディングには最適な商品であり、Windows CAD 市場に絶好のコンデションで船出することができました。

(注) 内容は記憶に基づいたものであり、不正確な部分が含まれている可能性があります。

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プロテル DOS製品の記憶

Windows 前夜の製品である、プロテルのDOS版PCB ソフトウェアに関わる記憶をたどってみました。

Windows PCB-CAD の先駆者として知られるプロテルも、1991年に最初の Windows 製品である Advanced PCB 1.0 .がリリースされる前は、DOS製品を開発し販売していました。

1996年に最初の DOS 製品がリリースされた後 1989年にDOS 世代最後の製品である AutoTrax に至るまでにいくつかのバージョンが存在しますが、 AutoTrax 以前には日本に代理店はありませんでした。 プロテルはこの AutoTrax のリリースに合わせて日本に代理店を設定し、日本市場への参入に際してIBM-PC 版だけでななく PC-98版も用意しました。

Windows 版の Advanced PCB がリリースされた後も、Autotrax は DOS Pack の名称で販売が継続されました。DOS Packは、AutoTrax と DOS Schenatc がセットにされたもので、価格は 98,000円と大変安価でした。また、リリース直後のAutotrax にはドングルと呼ばれるセキュリティデバイスによるコピープロテクトがおこなわれていましたが、1993年に販売が開始された DOS Pack以降 このドングルは取り払われました。

また、AutoTrax の前に PCB 3という PCB パッケージがあり、これが Accel 社に OEM 供給され Tango Series I として販売されていました。その後Accel 社は自社開発によるTango Series I I に移行します。この Tango Series I I と Autotrax との間には一見大きな違いは無いように見えました。しかしTango Series I Iには Autotrax には無いマニュアルポリゴンの配置機能がありましたので、アナログ基板設計では、使えるか使えないかの判断の分かれ目になり得るくらいの大きな差があったかも知れません。

余談ですが現在、このAutotrax と その直前のバージョンである Easytrax(おそらく"PCB3"="Tango Series I" ="Easytrax")はフリーソフトとしてアルティウム社から無償で提供されており、以下のページからダウンロードできます。

>http://www.altium.com/Community/Support/Downloads/

また、Autotrax はその後、当時のMicrocode社にライセンスされます。そしてMicrocode社によってWindows に移植され、TraxMaker という商品名で販売されます。このTraxMaker は機能および PCB ファイルとも Autotrax 寸分違わず、まさに Windows 版 Autotrax そのものでした。

当時のDOS製品は、データ幅およびアドレッシングの両方で 16ビットの制限を受けていました。Autotrax はレイアウトデータおよびプログラムとも 16ビットでしたが、EMS がフルサポートされていたので大規模な基板の設計もできました。一方、ほぼ同時期に日本に上陸した PADS は レイアウト後のフットプリントデータを EMS エリヤに置けず、大規模を設計することができませんでした。

その後 PADS はこの制限から逃れるため、 PharLap の 386DOS-Extender を利用した 32 ビット版である PADS 2000に移行します。一方プロテルにも Phenix というコードネームの次世代 DOS プロジェクトがあったようでしたが、結局DOS版はこれで打ち止めにになり、これ以後 Windows にフォーカスされることになりました。そして1991年にリリースされたのが世界で最初の Windows PCB ツールとして有名な Advanced PCB です。 

このWindows 版への移行の後も Autotrax とは双方向の互換性が保たれており、Advanced PCB 2.8まではAutotrax ファイルの読み込みはもちろんのこと、保存もできたように記憶しています。

のちにプロテルの国内販売元になったテクスパートは、当時 PADS を使って基板設計を始めたばかりであり、プロテルと運命を共にすることになろうとは夢にも思っていませんでした。

(注) 内容は記憶に基づいたものであり、不正確な部分が含まれている可能性があります。

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2008年01月31日

Altium Designer のベタ塗り

Altium Designer ベタ塗り機能のデザインルール設定
(2006年5月17日の記事に加筆/転載)

Altium Designer の PCB エディタは、四角形しか作れない Fill、自動抜き機能を伴わないSolid Region、自動ベタ抜きの Polygon Pour の3 種類のベタ塗り機能を備えています。

Solid Region は思い通りの形状の面パターンが作りやすいので配線パターンの補強などに便利であり、Polygon Pour を使うと広い面積の均一なシールドパターンを瞬時に作成することができます。

これらのベタは一般的なマウスのドラッグとクリック操作で簡単に作れます。しかしクリアランスの設定がわかりにくくて、私はこれにずいぶんてこずりました。そこでこの経験を踏まえ、このクリアランスルールの設定のコツを伝授したいと思います。

(1) Polygon Pour(自動ベタ塗り)では自動生成されたクエリーを修正することが必要。

デザインルールのクエリーの設定には、Query Builder を使うと便利です。例えばこの Polygon Pourのクリアランスを設定する場合には、 Condition Type から Obhject Kind is を選び Condition Value から Poly を選びます。この結果 IsPolygon の値が返され OK ボタンによりクリアランスルールのFull Query エリアにクエリーが書き込まれます。

しかし IsPolygon ではエラーが発生し、正しく動作させるためにはこれを InPoly に変更することが必要です。すなわちIs In に変更(Poly と Polygon は同じ扱い)しなくてはならないということがわからず、アルティウム ジャパンに問い合わせるまで正しく設定できませんでした。

この Is と In の違いと用法は、「クエリ言語の 内部紹介ガイドhttp://www.altium.com/Files/learningguides/JP/ProtelDXP/insidersguide_querylanguage.pdf に詳しく説明されています。

要するに Polygon は複合オブジェクト(グループオブジェクト)であるので、その構成要素(プリミティブオブジェクト)を指し示す「In」 の記述が必要であるということのようです。

polyrole.jpg

(2) Condition Value で PolyRegionを選ぶと誤ったクエリーが返ってきます。

Query Builder を使用すしてSolid Region (自動抜きの無いベタ塗り)のデザインルールを設定する場合、通常は Condition Type から Obhject Kind is を選び Condition Value から PolyRegion を選びます。しかしここの操作を行うとなぜか IsComponentBody の値が返ってきます。

polybuild.JPG

ためしに Condition Value から ComponentBody を選んだところ IsRegion が返ってきましたので、ComponentBody と PolyRegion が入れ違っていることがわかりました。このため、Query Builder を使って 正しいQuery を得るためには、PolyRegion ではなく ComponentBody を選ばなくてはなりません。

bodybuild.JPG

regionrole.JPG

そしてもう一つ、
(3) IsRegion で設定したデザインルールはPolygon Pour(自動ベタ塗り)にも影響します。

polypour.jpg

たとえば Polygon Pour の Fill Mode を Solid(Copper Regions)に設定した場合、IsRegion で設定したクリアランス値が Polygon Pourにも適応されますので注意が必要です。

Fill のクエリーの生成とデザインルールについては特筆すべき注意点はなさそうです。

おそらくここで取り上げた設定上の不可思議は、ソフトウェアの修正によって解消されると思いますが、それまではこの説明を参考にしてください。

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2008年01月29日

サポート契約の名称変更

Altium Designer 6 の年間サポート契約の名称が次のように変更されました。

・ TELサポート → 電話サポート
・ メンテナンス・サポート → アップグレード保証
・ フルメンテネンス・サポート → 年間メンテナンスサービス

上記変更を反映したサポート契約の一覧をご確認下さい。

ad6_support3.gif
Altium Designer はもうすでに 6.8 まできていますので、そう遠くはないと予想される 7.0 の到来を見据えて、メンテナンス契約をご検討されてはいかがでしょうか?

アンビルコンサルティングでは Altium Designer の新規販売だけでなく、年間サポート契約の販売や、アップグレード / トレードアップの販売にも力をいれております。また、アップグレード保証を弊社経由でご購入いただいた場合には特典がありますので、契約をご検討中の方はお気軽にお問合せ下さい。

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